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株式会社薬王堂が目指す「人、組織、データ」の統合的な人的資本経営の実現に向けた支援を開始

株式会社シンギュレイト(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:鹿内 学、以下シンギュレイト)は、東北6県に392店舗のドラッグストアを展開する株式会社薬王堂(以下 薬王堂)が目指す「人、組織、データ」の統合的な人的資本経営の実現に向けた支援を開始したことをお知らせします。

シンギュレイトは学術研究や実践を通して得た知見、人事データ分析であるピープルアナリティクスを通して、薬王堂の目指す「地域の皆様の美と健康と豊かな暮らしに貢献する」を支援します。

1.「人、組織、データ」の統合的な人的資本経営を支援

薬王堂は、実店舗をもつ小売業において、データに基づくマーケティングや店舗施策の実現を推進しています。2024年4月より開始した“薬王堂PBMA”は、強みである店舗運営を土台に、整備されたデータベースと効果検証プラットフォームにより、今までにない購買体験の実現を目指す取り組みです。この取り組みによって営業メンバーが、データから現状を考察し、アクションへとつなげていくことが当たり前になりました。このように薬王堂は、人材への投資と営業の変革が進んでいる企業です。

シンギュレイトは、薬王堂PBMAの取り組みをデータ分析基盤の構築から支援し、薬王堂の事業理解を進め、薬王堂におけるデータ運用のノウハウを培ってきました。そして今回、人的資本経営の取り組みをさらに強化するため、データを活用した「人と組織」の支援を新たにスタートします。今回のプロジェクトでは、商品や消費者行動の分析にとどまらず、人的資本である「人と組織」も数値化しながら、働きやすい店舗運営の実現を目指します。

人事データ分析と呼ばれるピープルアナリティクスは、人事データの活用にとどまることが多いのが実状です。その結果、離職率や働きやすさの改善だけを目指すなど、人事領域の目的に閉じてしまい、人的資本「経営」に至らないことが多くあります。

今回のプロジェクトは経営に資することを目的とし、薬王堂PBMAで収集した売上、購買、販促などといった事業データに人事データを統合した検証・運用です。薬王堂の経営目的でもある、顧客へのより良いサービス提供への貢献を通じて、売上の向上にも貢献し、真に、人的資本経営に資するピープルアナリティクスを目指します。

データサイエンスの高い技術力、ピープルアナリティクスを推進するサイエンス・カンパニーとして、「人と組織」やマネジメントにかかわる科学の理論・知識をもつシンギュレイトだからこそできる支援です。

2. 具体的な支援:「人・組織の科学」と「データ」にもとづくピープルアナリティクス

イノベーション・サーベイによる組織構造の可視化

組織構造や状態を把握するため、シンギュレイトが開発した組織診断「イノベーション・サーベイ」を提供します。イノベーション・サーベイは、企業組織がイノベーションを起こすために必要な「信頼」の組織構造を把握・改善する組織診断サーベイです。イノベーション・サーベイは、信頼の計測を通して、人と人との「つながりやすさ」を見える化します。。

他者・他社といつでもつながれる「つながりやすさ」は、売上向上やイノベーション創出を目指す施策を効果的なものにするために重要な要素です。信頼の組織構造と状態を可視化し、経営に資する施策提案に活かします。

科学的知見に基づく新規データの取得と分析

経営に資するピープルアナリティクスとするために、新規に「店舗運営データ」を取得しました。これは、シンギュレイトのデータ収集のノウハウを強みに、データ分析から逆算したデータ収集を実現したものです。そのように取得した店舗運営データと信頼を統合した分析をおこなうことで、薬王堂において、信頼が店舗運営の向上につながるメカニズムを科学します。

データに基づく向上施策の設計・提案

イノベーション・サーベイによって可視化した状態や信頼の組織構造をもとに、向上施策の設計と実施をおこないます。既に、1on1施策を提案し、実施中です。

当該1on1施策は、イノベーション・サーベイのデータを基に対象となる従業員を選定。1on1サービス「Ando-san」での知見を生かした施策となっています。すでに対象となった従業員からは、「聴く」姿勢での対話の有効性や、一緒に働くメンバーへの「感謝の気持ち」を感じたという報告もあがっています。そのほか、新しい役職についた従業員を対象にした勉強会も効果検証の対象です。

第1段階としてイノベーション・サーベイを実施|明らかになった3つの特徴

本取り組みの第1段階としてイノベーション・サーベイを実施しました。結果を分析することで明らかになった3つの特徴を報告します。

可視化:薬王堂の高い信頼

薬王堂の高い信頼が明らかとなりました。普段から一緒に働くチームのメンバーへの信頼も、他部署のメンバーへの信頼も、業界平均に比べ高い水準です(図1)。シンギュレイトがもつ「標準データ」における、いずれの業界平均も上回りました。

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図1. 各業界の信頼の数値と薬王堂の位置

信頼の組織構造:信頼のU字カーブ

シンギュレイトが「信頼のU字カーブ」と呼ぶ信頼の組織構造が、店舗運営にかかわる部署で明らかとなりました。

一般に、経営からの指示と現場の状況対応の板挟みにより、中間的な役職・部署において、組織の歪みとして信頼が下がる現象があり、私たちはこの現象を「信頼のU字カーブ」と呼んでいます。どの役職・部署で信頼がさがるのかは、各企業の事業や組織構造に依存するものです。今回、薬王堂の店舗運営では、店長(ストアチーフ)に歪みがかかる状況が明らかになりました(図2)。これは、店長の個人特性により信頼が低くなったと考えるのではなく、組織構造上、信頼が下がりやすい役職であると考えられます。この信頼の構造についての確かな情報にもとづき、人材開発ではなく、組織開発での対応を検討することができます。

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図2. 薬王堂で明らかとなった信頼のU字カーブ

売上と働きがいが向上する要因の違い

売上にかかわる要因分析と働きがい(ワーク・エンゲージメント)にかかわる要因分析をおこなったところ、異なる要因が示唆されました。つまり、企業の経済成長である売上向上のための要因と、働きがい向上のための要因は、完全には一致しない可能性があります。これは、事業データを統合したピープルアナリティクスだからこそ得られた示唆です。人事領域での働きがいを進めるだけでは、売上がともなわず、企業としての持続可能性を阻害する可能性がある、という結果でもあります。

SDGsでうたわれる「働きがいも、経済成長も」という持続可能性への言及は、個々の企業レベルにおいても、同様に求められているものです。どちらかだけを追うのではなく、両立を目指した取り組みが必要だと考えられます。

今後の展望

今回示した人事データと売上データを統合した分析結果だけでなく、店舗運営データを統合することで、組織のメカニズムにせまります。また、同時におこなっている1on1や勉強会などの施策が、個々の信頼を向上させたり、信頼構造を変革するための起点であることを効果検証していきます。

株式会社薬王堂について

薬王堂は東北6県に390店舗以上を展開する小商圏バラエティ型コンビニエンス・ドラッグストア。医薬品・化粧品をはじめとする高い専門性を持ちながら、食料品や日用品・衣料品などの生活必需品を幅広く取り揃えております。最近ではベンチャー企業とのコラボレーションを通したDX、SDGsへの取り組みなどにも積極的に取り組んでいます。

株式会社シンギュレイトについて

「信頼によって人と人をつなげ、多様性のある組織を増やす」のミッションのもと、「信頼」をキーワードに人と人との新しい関係・関係性を作り、新結合(イノベーション)を増やすことを提案する事業を展開。ピープルアナリティクスの技術を基に、信頼と主体性を生みだす1on1支援ツール「Ando-san」、信頼を計測しイノベーティブな組織への変革を促す組織診断「イノベーション・サーベイ」の2つのサービスを提供している。

会社名 株式会社シンギュレイト
代表者 代表取締役 鹿内 学
会社URL https://cingulate.co.jp/
サービスサイト https://cingulate.co.jp/service/
本社所在地 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビルディング609

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掲載日:2024/09/20